ごあいさつ

半世紀前に、飛行機が作りたくて富士重工に就職、訳有っていすゞ自動車に移籍し、セラミックエンジンの開発にいそしんでいました。いすゞ研究所所長時代には、石原慎太郎 都知事の「東京の空をキレイにする」という掛け声に応え、DPF黒煙除去装置を開発しました。開発した装置の事業化を巡り、社内で意見が合わずに退社。起業後は一人で発明を続け、国内外で取得した特許は500を超えます。

20年ほど前から発電機の開発に着手し、機械屋ならではの発想で、電機業界の常識を崩し、画期的で高性能な発電機を開発しました。冷凍車では、大手電機メーカーが実現できなかったコンパクトで大出力な発電機により、夢の冷凍車であった「電気式冷凍車」を実現し、極低回転から高回転まで効率よく庫内の温度を下げることができます。輸送条件がどのように変化しても低い温度が保持されるので、広大な中国では、国土の隅々にまで新鮮な食べ物を届ける「コールドチェーン構想」の一環にという話もありますが、ウイルスの影響で現在はストップしています。

また、中古の軽自動車エンジンは日本独自の規格であるため、解体後のエンジンは利用方法がなく、ただ同然で引き取られています。これをメンテナンスし、発電機を接続することで、不要なエンジンを高性能な発電機として蘇らせることができます。電気を届けることが困難なロシアの寒村の電源として注目され、日露経済支援項目の一つに組み込まれました。

災害列島ともいわれる日本国内でも、毎年のように地震や台風、大雪などによる大規模停電が起こっています。現在、自家用車に搭載でき、停電時には非常電源として手軽に利用で得きる発電機を開発しています。アイドリングで4KWの出力があるため、非常時に家庭のコンセントにプラグアウトすれば、エアコン2台に冷蔵庫、照明が通常通り使用可能となります。農林水産業や工事用の電源車として、軽トラックへの装着も視野に入れて研究を進めています。

この他、小型で水が少ない条件下においても、低速で高効率出力を得られる水力発電機など、再生エネルギー利用増大に向けた実績を積み重ねています。今後も弊社の技術を使って多くの皆さんに貢献していきたいと考えています。

河村英男

代表取締役社長、工学博士、SAEフェロー

河村英男